コース設計の原理/コースガイド
日光カンツリー倶楽部
栃木県日光市/開場1955年
設計:井上誠一
1955年(昭和30年)開場、井上誠一が大谷川の旧河床を敷地に選んで設計したとされる栃木県の名門コース。表土が薄くバンカーを掘りにくい地盤のため、バンカー数を33ヵ所に絞り、自生する松をハザード代わりに活かした設計と伝えられる。
日光カンツリー倶楽部は昭和27年(1952年)に栃木県知事が設計を委嘱したことに始まり、井上誠一が中禅寺湖畔や霧降高原などを調査したうえで、大谷川の旧河床(明治期の大洪水で生まれた荒蕪地)を敷地に選んだと伝えられる。昭和30年(1955年)4月に開場した。
表土が薄く、5寸(約15cm)も掘れば石が出てくるためバンカーを十分に掘り込めない地盤だったとされ、井上誠一はバンカー数を33ヵ所に絞り、自生する松や樅、小米柳をハザードとして活かす設計にしたと伝えられる。男体山をはじめとする日光連山を望む林間コースで、18ホール・7,061ヤード・パー72の構成になっている。
各ホールのヤーデージ・レイアウト・マネジメント
1番 パー4・419ヤード
男体山と日光連山を望みながらスタートするホールとされる。序盤のホールのため、まずはフェアウェイキープを最優先し、景色に気を取られすぎない番手選びが無難と考えられる。
2番 パー4・468ヤード
フェアウェイ左のクロスバンカーと、その左前方の別バンカーがロングヒッターへの脅威とされる。右はOBのため、狙い所は限られる。クロスバンカー付近からグリーンへは約8メートル昇るとされ、アゴの高さも相まって攻略が難しいとされる。フェアウェイは全体に右傾斜とされる。
3番 パー3・200ヤード
左に深いガードバンカー、右からは松がせり出し、左奥にもバンカーが控えるショートホールとされる。グリーンは全体に奥から手前へ下がる傾斜とされ、ピンポジションによってティショットの落とし場所の難しさが変わるとされる。
4番 パー5・580ヤード
HDCP1・コース最難関とされる軽い右ドッグレッグのロングホール。右から松林がせり出し、左に打つとフェアウェイの傾斜でラフへ転がるリスクがあるとされる。セカンドは打ち下ろしで、グリーン手前左右に柳、右手前にバンカーが控える。グリーンは横長の馬の背状で右から左へ強く傾斜するとされる。
5番 パー4・444ヤード
左から松林、右からソネの木がプレッシャーとなるホールとされる。グリーンから190ヤード手前の2本の松の右あたりが狙い目とされ、セカンドはかなりの打ち上げになる。グリーンは中央付近から右・奥へ傾斜し、左にガードバンカーが配置されるとされる。
6番 パー4・350ヤード
打ち上げのため実際の距離感より長く感じられるホールとされる。右フェアウェイの松を越えるか、その左を狙うかの選択となり、左は広いものの行き過ぎると松林とバンカーでセカンドが難しくなるとされる。グリーンは前面が右へ、奥は下りへ傾斜するとされる。
7番 パー4・435ヤード
フェアウェイ左のクロスバンカーが特徴のホールとされ、ドラコン推奨ホールでもある。右側は広いがOBラインが浅く、フェアウェイはやや左傾斜とされる。ガードバンカーはグリーンまで距離があり、左(花道方向)からの攻めが安全とされる。
8番 パー3・210ヤード
グリーン右側の大きなバンカーと、その右の松の枝が打ちづらさを生むショートホールとされる。左のバンカーは難度こそ高くないが近くにOBがあり正確性が要求される。グリーンは受けて見えて実際は受けておらず、球が止まりにくいとされる。
9番 パー5・513ヤード
フェアウェイ右側のクロスバンカーが効いており、越えるには250ヤードのキャリーが必要で、入ると脱出が難しいとされる。セカンド時は左側の松にも注意が要る。グリーン左バンカーは松の枝が邪魔になり、右側からの攻めが薦められるとされる。
10番 パー5・518ヤード
左サイドのOBラインは浅いものの、右の林に入ると出すだけになりやすいため、フェアウェイのやや左側が理想とされる。右へ行きすぎると前方の高い林とその先のバンカーが待つ。グリーンは中央から左・奥へ傾斜し、右手前側からの攻めが理想とされる。
11番 パー4・455ヤード(愛称「松の廊下」)
愛称「松の廊下」と呼ばれ、自生する松が両サイドから迫るホールとされる。バンカーが少ない地盤事情もあり、松そのものが実質的なハザードとして機能するとされるため、ティショットは無理に距離を狙わず、松の間の開いた列線をまっすぐ運ぶ組み立てが有効と考えられる。
12番 パー3・235ヤード
グリーンは手前から速く、ワンオンしても奥までこぼれることがあるため距離感が重視されるホールとされる。右バンカーはグリーンまで距離があり、右手前のコブも障害になる。たっぷり距離のあるショートホールで、アゲインスト時は特にプレッシャーが大きいとされる。
13番 パー5・547ヤード
打ち上げのパー5とされる。距離があり打ち上げの分、実際の番手よりも大きめのクラブが必要になりやすいため、3打目でウェッジの距離を残せるレイアップ地点を事前に想定しておくとスコアをまとめやすいと考えられる。
14番 パー4・350ヤード
やや左ドッグレッグのホールとされる。左サイドのOBラインから林がせり出し、右に寄りすぎるとグリーン手前の高い樹木が邪魔になる。右のガードバンカーはアゴが高く、グリーン左はOBのため精度が求められるとされる。
15番 パー4・415ヤード
左右にOBが配置されるホールとされる。ティショットは右の松の左側を狙いまっすぐ運ぶのが定石とされ、セカンドは花道方向へ。左に寄りすぎるとセカンドで松林越え・バンカー越えとなるため注意が要るとされる。
16番 パー3・207ヤード
3つのバンカーに囲まれたグリーンを持つロングパー3とされる。地盤の事情で数少ないバンカーの一つがこのホールに集中している形で、距離もあるため、無理にピンを狙わずグリーンセンターを確実に捉える判断が有効と考えられる。
17番 パー4・410ヤード
打ち下ろしでランが出やすいホールとされる。右サイドのOBラインは奥ほどやや深いとされ、フェアウェイ右側の平らな場所が狙い目とされる。グリーン右手前のバンカーはグリーンまで約20ヤード手前にあり、回避が必要とされる。
18番 パー4・462ヤード
男体山に向かって昇っていくストレートなホールとされる。左側にクロスバンカーがあり、ロングヒッターは右側のフラットな部分が狙い目とされる。グリーン手前右のバンカーはグリーンから距離があるとされ、右手前マウンドの影響もあり左へ打っていく組み立てが薦められる。日光カンツリー倶楽部を締めくくるホールとされる。
出典:ゴルフダイジェスト社「日光カンツリー倶楽部」コース紹介記事、日光カンツリー倶楽部公式サイト(nikkocc.or.jp「Course Guide」ページ)、Shot Naviゴルフ場ガイド、楽天GORAコース情報ページを参照。総ヤード数7,061ヤード・パー72、11番455ヤード・13番547ヤード・16番207ヤードは公式サイト・Shot Navi・楽天GORAの3情報源で一致を確認した。1番ホールは旧記載で429ヤードとしていたが、公式サイト・Shot Navi・楽天GORAがいずれも419ヤードとしていたため419ヤードに修正した。設計嘱託の経緯(栃木県知事による嘱託・発起人会での県営建設確定等)やバンカー数33ヵ所は伝聞の域を出ない記述もあり、一次資料までのクロスチェックは本セッションでは行えていない。 2〜10・12・14・15・17・18番のパー・ヤード(公式サイトBTバックティー基準)・ハザード・攻略記述は日光カンツリー倶楽部公式サイトの個別ホールページ(nikkocc.or.jp/course/holeXX/)で確認した。Shot Navi・楽天GORAでは一部ホールでティー区分の異なる数値(Back1/Back2等)が見られたが、公式サイトのBT表記を主とした。Shot Naviの個別ホールページ(hdata)は基本的にPar・ヤーデージのみでハザード記述をほとんど含んでおらず、公式サイトを一次情報源とした。