原理原則ゴルフ

スイングの原理原則原理解説

スイングスピードと可動域の関係——TPIの身体機能評価に見る原理

「体が硬いとスイングが崩れる」という感覚は、Titleist Performance Institute(TPI)による身体機能評価の研究と重なる部分がある。可動性の制限とスイングの不具合の関連について、確認されている範囲を整理する。

監修・執筆:原理原則ゴルフ編集部編集部

TPIによる身体機能評価という枠組み

TPI(Titleist Performance Institute)は2003年から、ツアープロからアマチュアまで多数のゴルファーを対象に、身体機能とスイングの関係を研究してきた組織とされる。同組織が開発した「TPIスクリーン」は、全身の安定性・可動性・柔軟性を評価する16項目の身体機能評価(フィジカルスクリーン)として知られている。

身体的制限とスイングの不具合の相関

学術研究では、TPIレベル1にあたる12項目の身体機能テスト(筋力・柔軟性・バランスを測る)と、ゴルフスイングにおける「フォルト」(不具合とされる動作パターン)との相関が検証されている。この研究では、身体的な制限とスイングフォルトの間に複数の有意な関連が確認されたとされる。具体的には、つま先に手が届くかどうかを見る「トウタッチ」動作の制限と、早期の股関節伸展(本来は後の局面で起きるはずの股関節の伸びが早く始まってしまう動き)との関連、および身体の側面を支える「サイドブリッジ」動作の制限と、早期の股関節伸展・姿勢の崩れとの関連が報告されている。

「Body-Swing Connection」という考え方

TPIの中核にある考え方は、「身体的な制限が動作の非効率を生み、パワーやスイングスピードの低下、ボールを捉える安定性の低下につながりうる」というものだとされる。つまり、特定のスイングの型を目指す前に、その型を実現できるだけの身体機能が備わっているかを評価するという発想である。

ただし、「可動域を◯度改善すればヘッドスピードが◯mph向上する」といった具体的な因果関係の数値については、本記事作成時点では確認できておらず、身体機能とスイングの間には相関が報告されている段階にとどまる、という留保をつけておきたい。

よくある質問

TPIスクリーンとは何ですか?
Titleist Performance Instituteが開発した、全身の安定性・可動性・柔軟性を評価する16項目の身体機能評価です。身体機能とスイングの関係を分析するための枠組みとして用いられています。
体が硬いとスイングにどんな影響がありますか?
研究では、特定の可動域の制限(つま先に手が届くかなど)と、股関節の早期伸展や姿勢の崩れといったスイングの不具合との間に相関が報告されています。ただし因果関係を断定する数値までは確立されていません。