クラブの原理/原理解説
シャフトの「しなり位置」が弾道を変える——キックポイントの物理
同じ硬さ(フレックス)のシャフトでも、最も大きく撓む位置——キックポイント——が異なれば弾道は変わる。数インチの違いがもたらす原理を整理する。
監修・執筆:原理原則ゴルフ編集部(編集部)
キックポイントとは何か
キックポイントは、シャフトが最も大きく撓む位置を指す用語で、一般にヘッド寄りの「ロー(低)」、中間の「ミッド」、手元寄りの「ハイ(高)」に分類される。それぞれの位置の差は数インチ程度とされ、外見からは判別しにくい微妙な違いである。
弾道への影響
キックポイントが低い(ヘッド寄りで撓む)シャフトほど打ち出し角が高くなりやすく、逆に高い(手元寄りで撓む)シャフトほど打ち出し角は低くなる傾向があるとされる。一般にロー・キックポイントのシャフトは高く柔らかい打感の弾道になりやすく、ハイ・キックポイントのシャフトは低く貫通力のある弾道になりやすいという。またシャフトの撓みと戻り(キック)自体が、インパクト時にヘッドスピードを助勢するエネルギー放出の一因として働くとされる。
個人差という留保
キックポイントによる弾道差の具体的な定量値や、測定方法が業界内でどこまで標準化されているかについては、今回の調査で明確な裏付けは確認できていない。またスイング速度やタイミングといった個人差の影響の大きさも、一般論の域を出ない部分が大きい。フィッティングの現場では参考情報の一つとして扱われるべきであり、単独の数値で最適解を断定することは難しい。
よくある質問
- キックポイントとシャフトの硬さ(フレックス)は同じですか?
- 異なります。フレックスはシャフト全体のしなりやすさの度合いを示す指標ですが、キックポイントはシャフトのどの位置が最も大きく撓むかという「撓みの位置」を示す指標です。両者は独立した特性として扱われます。
- キックポイントは自分で見分けられますか?
- 外見だけでの判別は難しく、メーカーのスペック表やフィッティング機器による計測が必要です。一般的にはロー・ミッド・ハイという分類でカタログに記載されることが多くあります。