クラブの原理/比較
グラファイト vs スチール——ドライバー用シャフト素材の物理と歴史
軽さで有利なグラファイトと、トルクの低さと再現性で有利なスチール。素材の物理特性と製法の違いから、それぞれの得意分野を整理する。
監修・執筆:原理原則ゴルフ編集部(編集部)
重量とトルクの違い
グラファイト(カーボン)シャフトは重量約50〜90gと軽量で、スイング時の労力を減らし、ヘッドスピード向上に寄与しやすいとされる。一方スチールシャフトは、グラファイトに比べて一般にトルク(ねじれ)が低いとされ、グラファイトは同重量帯でもトルクが高めになりやすく、オフセンターヒット時のフェースの開閉に影響しうるという。
製法の違い
スチールは炭素鋼合金を引き抜き加工でテーパー状の管に成形した後、熱処理を施して強度を確保する製法で、同一バッチ内での剛性・重量・トルクの再現性が高いとされる。グラファイトはカーボン繊維を層状に巻き付けて熱硬化させる製法で、繊維の向き・層数・樹脂の種類を変えることで性能をチューニングする自由度が高いという特徴がある。
普及の歴史
USGAは1924年、R&Aは1929年にスチールシャフトを公式ルールで認可し、1930年代半ばまでにヒッコリー(木製)シャフトから急速に置き換わったとされる。この史実は既にメーカーアーカイブで扱われているため、本記事ではグラファイトシャフトの普及史(1970年代以降)に比重を置いている。ただし、グラファイトシャフトを「いつ・どのメーカーが初めて実用化したか」については今回の調査では特定できておらず、トルク値・重量帯の具体的な数値レンジも情報源によって幅があるため、参考値として扱うべきである。
よくある質問
- アイアンにはグラファイトとスチール、どちらが多く使われますか?
- 一般にアイアンでは再現性やコントロール性を重視してスチールが選ばれることが多く、ドライバーやフェアウェイウッドでは軽さを重視してグラファイトが主流です。ただし体力やスイング特性によって最適な組み合わせは異なります。
- グラファイトシャフトはいつ頃から普及したのですか?
- 1970年代以降に普及が進んだとされていますが、最初にどのメーカーが実用化したかという起源については今回の調査で一次資料による特定に至っていません。