スイングの原理原則/原理解説
なぜ「バードングリップ」という名前がついているのか——グリップ3種類の原理
世界のゴルファーの9割以上が使う「オーバーラッピング・グリップ」は、なぜ名手Harry Vardonの名を冠しているのか。実際の考案者は誰だったのかという逸話から、3種類のグリップが分かれている原理までを解説する。
3種類のグリップ
- オーバーラッピング(バードン)グリップ——後ろ手(利き手)の小指を、前手(リード側の手)の人差し指と中指の間に乗せる。
- インターロッキング・グリップ——後ろ手の小指と前手の人差し指を絡ませる。
- テンフィンガー(ベースボール)・グリップ——後ろ手の小指を前手の人差し指のすぐ近くに置き、絡めない。
この3種類の手の配置は、英語版Wikipedia「Golf swing」に記載されている整理に基づく。いずれも目的は同じで、両手をどう組み合わせてクラブを一体的に操作するかという工夫の違いである。
なぜ「バードングリップ」と呼ばれるのか
オーバーラッピング・グリップは、現在世界のゴルファーの90%以上が使用しているとされる、最も広く普及したグリップである。名称は名手Harry Vardonに由来するが、Wikipedia「Harry Vardon」のページによれば、Vardon自身がこのグリップを考案したわけではない。彼より数年早く、スコットランドのアマチュアチャンピオンJohnny Laidlayが考案していたグリップを、Vardonが後から採用し、自らの活躍とともに世界的に普及させたのだと記載されている。名前の由来となった人物と、実際の考案者が異なるという事実は、ゴルフの用具・技術の歴史ではしばしば見られる現象である。
グリップの違いが意味すること
3種類のグリップの違いは、突き詰めれば両手をどれだけ一体化させて動かすかという点に集約される。オーバーラッピングとインターロッキングは、いずれか一方の指を重ねる・絡めることで両手を一つのユニットとして機能させ、クラブのコントロール性を高めることを狙ったグリップだとされる。一方テンフィンガー・グリップは両手の指を独立させたまま握るため、握力の弱いゴルファーや子供・初心者にとってクラブを振り抜きやすいとされる。指を絡めるインターロッキングは、手が小さいゴルファーやグリップの安定を重視するゴルファーに向いているとされることが多い。
グリップは原理としてどう捉えるべきか
どのグリップが唯一「正しい」というものはなく、現在も世界のトッププロの中にオーバーラッピングとインターロッキングの両方が混在している。重要なのは、グリップの形が両手の同調のしやすさ、フェースのコントロールのしやすさに影響を与えるという原理を理解した上で、自分の手の大きさや握力、スイングの特徴に合わせて選ぶことだといえる。
よくある質問
- バードングリップとオーバーラッピング・グリップは同じものですか?
- はい、同じグリップを指します。Harry Vardonの活躍によって世界的に広まったことから「バードングリップ」とも呼ばれますが、握り方の呼称としては「オーバーラッピング・グリップ」が一般的です。
- プロは全員同じグリップを使っているのですか?
- いいえ。現在もオーバーラッピング・グリップが最も多数派とされていますが、インターロッキング・グリップを使うトッププロも存在し、唯一絶対の正解があるわけではないとされています。