コース設計の原理/設計家名鑑
ピート・ダイ
1925 - 2020
「人生は公平ではない。ならばなぜ公平なコースを作らねばならないのか」という言葉で知られる設計家。1963年の妻アリス・ダイとのスコットランド旅行を契機に、鉄道枕木の土留めやポットバンカーなどリンクス的要素を取り入れた、視覚的な威圧感とリスク・リワードを強調する独自のスタイルを確立した。TPCソーグラス(アイランドグリーンの17番)、ホエールング・ストレイツ等が代表作。
代表作:TPCソーグラス(アメリカ)、ホエーリング・ストレイツ(アメリカ)、ハーバータウン・ゴルフリンクス(アメリカ)
ピート・ダイは1925年オハイオ州アーバナ生まれ、2020年に94歳で死去した。保険業界から転じてコース設計家となり、妻でありパートナーでもあったアリス・ダイ(自身も著名な設計家)と共に、1963年にスコットランドのリンクスコースを巡る旅を行ったことが、その後の作風を決定づけたとされる。この旅で得たポットバンカーや起伏のある地形、視覚的なトリック(実際より難しく見せる、あるいは狭く見せる設計)といった要素を、アメリカのコース設計に持ち込んだ。
代表作にはPGAツアーの本拠地であるTPCソーグラス(第17ホールのアイランドグリーンで特に有名)、PGA選手権を複数回開催したウィスコンシン州のホエーリング・ストレイツ、ジャック・ニクラウスとの初期の共同作であるハーバータウン・ゴルフリンクスなどがある。
「人生は公平ではない。ならばなぜ私が公平なコースを作らなければならないのか」という発言に象徴されるように、プレーヤーに強いプレッシャーとリスク・リワードの判断を迫る、しばしば威圧的とも評される設計哲学で知られる。
コースガイド
TPCソーグラス スタジアムコース(TPC Sawgrass, Stadium Course)
ピート・ダイが元PGAツアーコミッショナーのディーン・ビーマンと協働して設計した、PGAツアー「THE PLAYERS Championship」の恒久開催コース。パー3・17番の「アイランドグリーン」は、ゴルフ界で最もよく知られるホールの一つとされる。
ホエーリング・ストレイツ(Whistling Straits, Straits Course)
1998年開場、ピート・ダイと妻アリス・ダイが手がけたミシガン湖畔のリンクス風コース。廃棄された飛行場跡地を、羊が放牧される起伏豊かな海岸型リンクスへと作り替えた。PGA選手権を3度、2021年ライダーカップを開催した名物17番「ピンチド・ナーブ」で知られる。
ハーバータウン・ゴルフリンクス(Harbour Town Golf Links)
1969年開場、ピート・ダイがジャック・ニクラウスの協力を得て設計したコース。小さく硬いグリーンと狭いフェアウェイで知られ、赤白の灯台を背景にした18番はPGAツアーでも屈指の名物フィニッシングホールとされる。RBCヘリテージの恒久開催コース。
出典:USGA訃報記事、Wikipedia等をもとに構成。日本国内での設計実績は本セッションでは確認できなかったため代表作には含めていない。