ゴルフボールの原理/比較
AVXとPro V1、Pro V1xは何が違うのか——タイトリスト3兄弟の弾道特性
タイトリストのツアーボールはPro V1・Pro V1xだけではない。2018年に加わった「第3の選択肢」AVXは、何を狙って設計されたボールなのか。3モデルの位置づけの違いを整理する。
2018年に加わった「第3のツアーボール」
Titleistは2018年、Pro V1・Pro V1xに次ぐ第3のツアーボールとしてAVXを発売した。MyGolfSpyやTitleist Newsroomの紹介によれば、AVXはより低い弾道・少ないスピン量・柔らかい打感を狙って設計されたモデルとされる。
3モデルの位置づけの違い
Pro V1は中弾道でオールラウンドな性能を持つ定番モデル、Pro V1xはPro V1よりも高い弾道と、より多くのスピン量による高いコントロール性を狙ったモデルとされる。これに対しAVXは、Pro V1ファミリーよりもさらに低い弾道・少ないスピン量という、いわば逆方向の特性を持たせた設計だという。Golfmagicの記事によれば、AVXはスイングスピードが中程度で、飛距離のロスを感じているゴルファーなど、「低く強い球で飛距離を稼ぎたい」層に向けた選択肢として位置づけられているとされる。
「打ち上げにくい」ことが利点になるゴルファー
一般的にスピン量や弾道の高さはグリーンでのコントロール性に寄与する一方、風の影響を受けやすくなるというトレードオフがある(この関係については本メディアの弾道解説記事も参照されたい)。AVXが訴求する低スピン・低弾道という特性は、向かい風下での安定性や、キャリーよりもランを活かした距離の稼ぎ方を求めるゴルファーに向いている可能性がある。なお、AVXは2026年向けに改良版(次世代モデル)が発表されているとされるが、Pro V1・Pro V1xとの具体的なスピン量・打ち出し角の数値差については、本記事作成時点でTitleist公式の詳細スペック表への到達ができておらず、確認できていない。
関連記事:Pro V1がツアーボール市場を変えた経緯。
よくある質問
- AVXはPro V1と何が違うのですか?
- Pro V1よりも低い弾道・少ないスピン量・柔らかい打感を狙って設計されたモデルとされています。2018年に発売された、いわば「第3のツアーボール」です。
- AVXはどんなゴルファーに向いていますか?
- スイングスピードが中程度で飛距離のロスを感じている層や、低く強い球で飛距離を稼ぎたいゴルファーに向けた選択肢として位置づけられているとされています。
関連記事
- なぜPro V1は発売週に47人のツアープロを転向させたのか——ツアーボール市場を変えた4日間
2000年10月、ラスベガスで開催されたPGAツアー1試合の間に、47人の出場選手が一斉に新型ボールへ切り替えるという、用具史上でも異例の出来事が起きた。Titleist「Pro V1」が「飛距離」と「フィール」のトレードオフをどう崩したのかを解説する。
- 1ダース3,000円と6,000円、その差はどこにあるのか
廉価なゴルフボールと6,000円前後のツアーボールでは、カバー素材と製造工程の複雑さが価格差の主な要因とされる。何にコストがかかっているのかを整理する。
- なぜコストコの15ドルボールはタイトリストを本気にさせたのか——カークランド特許戦争の顛末
2016年、コストコのプライベートブランド「カークランド・シグネチャー」が投入した4ピース・ウレタンカバーのツアーレベルボールは、わずか1ダース15ドルという価格で瞬く間に品切れとなった。この「安すぎるツアーボール」がどのようにして業界最大手との特許紛争に発展したのかを追う。
- 柔らかい球、硬い球——打感で選ぶブランドの地図
Chrome Softという名前が示す通り、ボールのブランドには「柔らかさ」を軸にした設計思想の違いがある。主要ブランドを打感というものさしで並べて整理する。
- コンプレッション(硬さ)とは何か——スピン・打感・飛距離を決める原理
「硬いボールは飛ぶ、柔らかいボールは優しい」という理解は、どこまで正しいのか。コンプレッションという指標の正体と、スイングスピードとの相性、そして近年クラブフィッティングの現場で指摘され始めている「コンプレッション神話」への疑問までを原理から整理する。
関連コンテンツ