ゴルフボールの原理/変遷史
なぜコストコの15ドルボールはタイトリストを本気にさせたのか——カークランド特許戦争の顛末
2016年、コストコのプライベートブランド「カークランド・シグネチャー」が投入した4ピース・ウレタンカバーのツアーレベルボールは、わずか1ダース15ドルという価格で瞬く間に品切れとなった。この「安すぎるツアーボール」がどのようにして業界最大手との特許紛争に発展したのかを追う。
1ダース15ドルの「ツアーボール」
2016年、会員制量販店コストコがプライベートブランド「Kirkland Signature」から、4ピース構造・ウレタンカバーというツアーレベルの仕様を持つゴルフボールを、1ダースあたり約15ドルという破格の価格で発売した。MyGolfSpyの報道によれば、性能と価格のギャップの大きさから需要が急増し、供給が追いつかず品切れが相次いだとされる。
タイトリストからの警告状、そしてコストコの先制提訴
2016年12月、Titleistの親会社Acushnet Holdingsは、ボールコアやディンプル配置に関する特許11件の侵害、および虚偽広告を主張する警告レターをコストコに送付した。CBS NewsやGolfmagicの報道によれば、コストコはこれに対し、自社製品が特許を侵害していないことの確認を求める訴訟を連邦裁判所に先制的に提起。Acushnetは後に、自社製品の利益の3倍相当の損害賠償等を求める反訴を提起したと報じられている。
終売と再投入を繰り返した「幻のボール」
話題となった2016年発売の4ピースモデルは、品切れ後に一時終売となった。その後投入されたとみられる後続モデルも、ウレタンカバーの薄さに起因するとされる品質問題により販売中止になったとMyGolfSpyは報じている。2019年には新たな4ピースモデル「Kirkland Signature Performance ONE」として再投入されたが、初代ほどの再現性は得られなかったとされ、その後は3ピース構成の「Performance+」シリーズへと路線を変えていったという。
なお、訴訟の最終的な和解内容や賠償金額については、本記事作成時点で確認できていない。2017年モデルとされる後続版の正確な発売・終売時期についても、一次情報源には到達できておらず、今後の課題としたい。
関連記事:Snell Golfの起業の経緯。
よくある質問
- カークランド・シグネチャーのゴルフボールはなぜ話題になったのですか?
- 会員制量販店コストコが、4ピース・ウレタンカバーというツアーレベルの仕様を1ダース約15ドルという破格の価格で発売したためです。需要が供給を大幅に上回り、品切れが相次ぎました。
- タイトリストとの訴訟はどうなったのですか?
- 2016年にAcushnet(Titleist)が特許侵害を主張し、コストコが先制提訴、Acushnetが反訴するという展開になったことは報じられていますが、最終的な和解内容や賠償金額については本記事作成時点で確認できていません。
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