クラブの原理/変遷史
なぜユーティリティクラブは「逆さソール」から生まれたのか——ハイブリッド誕生の変遷史
現在では多くのゴルファーに定着したユーティリティ(ハイブリッド)クラブ。その原型となった発想は、ロングアイアンの打ちにくさを解決しようとした一本のフェアウェイウッドから始まったとされる。
Adams「Tight Lies」の逆転の発想
Adams Golfは1995年、ソールを通常とは逆に盛り上げる「逆さソール(アップサイドダウン・ソール)」構造を採用したフェアウェイウッド「Tight Lies」を発表したとされる。この設計は、芝の上に沈んだボールや硬いライからでも球を拾いやすくすることを狙ったものだったと伝えられている。Tight Liesは、後のハイブリッドクラブにつながる設計思想の先駆けと位置づけられている。
1999年、TaylorMade「Rescue」の登場
Tight Liesが示した「ロングアイアンより易しく、フェアウェイウッドより操作しやすい」という方向性を、現代的なハイブリッドクラブの形にまとめ上げたのがTaylorMadeが1999年に発表した「Rescue」だったとされる。ウッド型のソールとアイアンに近い長さ・弾道特性を組み合わせたこのクラブが、現在「ユーティリティ」「ハイブリッド」と呼ばれるカテゴリーの原型を確立したと伝えられている。
他社の追随とカテゴリーの定着
Rescueの成功を受けて、TitleistのHybrid、CallawayのHeavenwood、CobraのBafflerなど、各社が相次いで同様のコンセプトのクラブを投入したとされる。こうしてハイブリッドは一つのクラブカテゴリーとして定着し、その後のロングアイアン離れ(普及率の推移については既存記事「なぜロングアイアンは消えたのか」を参照)を後押ししていくことになったと考えられている。
関連記事:ロングアイアンが消えた経緯。
よくある質問
- Tight LiesとRescueは同じ会社の製品ですか。
- いいえ、Tight Liesは1995年にAdams Golfが発表したフェアウェイウッド、Rescueは1999年にTaylorMadeが発表したクラブで、別会社の製品とされる。前者が示した設計思想を、後者が現代的なハイブリッドクラブの形にまとめ上げたという関係にあると伝えられている。
- ハイブリッドクラブが普及率で存在感を増したのはいつ頃ですか。
- 本記事は誕生の経緯を扱っているが、普及率の推移(2004年頃の約7%から2007年頃に急拡大したとされる統計)については既存記事「なぜロングアイアンは消えたのか——ハイブリッドクラブが塗り替えた普及の数年」で詳しく扱っている。
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