クラブの原理/変遷史
なぜクラブのシャフトは木から鉄に変わったのか——スチールシャフト公認の変遷史
かつてゴルフクラブのシャフトはヒッコリー材の木製が主流だった。それがわずか十数年でスチール製へとほぼ全面的に置き換わった転換点には、米英で異なるタイミングの規則改正があったとされる。
監修・執筆:原理原則ゴルフ編集部(編集部)
ヒッコリーシャフトの限界
ゴルフクラブは長らく、弾力性と入手のしやすさからヒッコリー材のシャフトが用いられてきたとされる。しかし木製シャフトは個体差が大きく、同じ設計のクラブでも一本ごとに硬さやしなり方が異なりやすいという課題があったと伝えられている。工業的に均質な性能を再現しにくいことは、クラブ設計を科学的に発展させるうえでの制約になっていたとされる。
USGAとR&Aの相次ぐ公認
この状況を変えたのが、金属(スチール)シャフトの公式ルールでの承認だった。USGAは1924年にスチールシャフトを公式に認可し、続いてR&Aも1929年に追認したとされる。米国と英国で数年の時差があったこと自体、当時スチールシャフトの受け入れに地域差があったことをうかがわせる。
1930年代半ばまでの急速な置き換わり
公認後、スチールシャフトは製造の均質性とコスト面での優位性から急速に普及し、1930年代半ばまでにはヒッコリーシャフトからほぼ全面的に置き換わったとされる。均質な性能のシャフトが安定供給されるようになったことは、その後のヘッド設計側の技術競争を下支えする土台になったと考えられている。
よくある質問
- スチールシャフトはなぜヒッコリーより優れていたとされるのですか。
- 工業製品として均質に製造できるため、硬さやしなりのばらつきが少なく、性能を再現しやすかった点が大きいとされる。ヒッコリーは天然素材ゆえに一本ごとの個体差が大きかったと伝えられている。
- USGAとR&Aで公認の時期が異なるのはなぜですか。
- 詳細な経緯を示す一次資料は確認できていないが、当時は米国と英国でゴルフ用具に対する規則制定の主体が別々に運営されており、規則改正のタイミングが必ずしも一致しなかったことが背景にあるとみられる。