弾道の物理/変遷史
ミサイル追尾レーダーがゴルフを変えた日——ローンチモニター計測技術の変遷
ボール速度・打ち出し角・スピン量というローンチモニターの三要素は、もともと軍事用ミサイル追尾レーダーの技術者が開発に関わったことで実用化が進んだという経緯がある。
TrackMan誕生の経緯
TrackManは2003年、デンマークでクラウス・エルドルプ=ヨルゲンセン氏とモーテン・エルドルプ=ヨルゲンセン氏の兄弟によって創業されたとされる。開発の中心にいたレーダー技術者フレドリック・タクセン氏は、それ以前は軍事用レーダーメーカーであるWeibel社でミサイル追尾用ドップラーレーダーの研究開発を率いる立場にあったと伝えられている。この軍事用レーダー技術者がゴルフボールの追尾という民生分野に招かれたことが、TrackMan誕生の起点になったという。
2004年、世界初のフルフライト追尾
最初のTrackMan機は2004年にリリースされ、ゴルフボールの飛行軌道全体を追尾できる世界初の装置とされる。初期の顧客にはMizuno、Nike、PING、Callaway、TaylorMadeといった大手クラブメーカーが名を連ねていたと伝えられている。現在の主流であるTrackMan 4は、デュアル・ドップラーレーダーを用いて、打ち出しからグリーンでの着地まで約6秒間の飛行全体を追尾する仕組みを持つ。
なぜこの三要素が指標になったのか
ボール速度・打ち出し角・スピン量が現在の業界標準的な計測指標として定着した直接的な経緯を説明する一次資料は、今回の調査では見つかっていない。レーダー技術によってこれらの数値を高精度かつリアルタイムに可視化できるようになったことが、指標としての普及を後押しした一因である可能性はあるが、それが唯一の理由かどうかは断定できない。
関連記事:TrackMan誕生の経緯。
よくある質問
- TrackManはなぜ軍事技術者が開発に関わっていたのですか?
- 創業者が招いたレーダー技術者フレドリック・タクセン氏が、それ以前はミサイル追尾用ドップラーレーダーの研究開発に携わっていたためです。ミサイルもゴルフボールも「高速で飛翔する物体を追尾する」という点で技術的な共通点があったとされています。
- ローンチモニターはいつから使われ始めたのですか?
- TrackManの最初の機種は2004年にリリースされ、ゴルフボールの飛行軌道全体を追尾できる世界初の装置とされています。その後、他社からも同様の技術を用いた製品が登場し、現在ではツアーからアマチュアのフィッティングまで幅広く普及しています。
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