ゴルフボールの原理/変遷史
なぜCallawayは「丸くないディンプル配置」を選んだのか——Chrome SoftとHEXエアロダイナミクスの発想
従来の円形ディンプルは、球面のどう並べても隙間が残るという幾何学的な制約を抱えていた。Callawayが2015年に投入したChrome Softは、六角形のディンプルパターンでこの制約に挑んだ製品だった。
円形ディンプルが抱える「隙間」の問題
ゴルフボールの表面を覆うディンプルは、伝統的に円形が主流だった。しかし円形は球面を敷き詰める図形としては効率が悪く、円形ディンプルによる表面被覆率はおよそ88%にとどまり、残りの面積はディンプルのない平坦な領域として残ってしまうとされる。
2015年発売のChrome Softと「HEXエアロダイナミクス」
Callawayは2015年1月16日、低圧縮コアと同社史上最も柔らかいウレタン製「DuraSpin」カバーを組み合わせたツアーボール「Chrome Soft」を発売した。この製品で採用されたのが、特許技術である「HEXエアロダイナミクス」——六角形のディンプルパターンである。同社によれば、この六角形配置によってボール表面のほぼ100%をディンプルで覆うことが可能になり、円形ディンプル配置の約88%という被覆率の限界を超えたとされる。
柔らかさと飛距離という相反する目標
Chrome Softは「柔らかい打感でありながら飛距離を犠牲にしない」という、当時としては相反すると見られていた二つの目標を両立させる製品として市場に投入されたとされる。低圧縮コアによる柔らかい打感と、ウレタンカバーによるグリーン周りでのスピン性能を両立しつつ、表面被覆率を高めたディンプル形状によって空力性能の底上げを図るという設計思想は、その後の同社ツアーボールラインにも受け継がれている。
なお、HEXエアロダイナミクスが従来の円形ディンプル配置と比較して具体的にどの程度の空力性能差(抗力係数の変化量等)を生むかについては、本記事作成時点で技術詳細の一次資料までは確認できておらず、今後の課題としたい。
関連記事:グラフェン配合の主張の検証。
よくある質問
- HEXエアロダイナミクスとは何ですか?
- Callawayが開発した六角形のディンプルパターンで、円形ディンプル配置では約88%にとどまるボール表面の被覆率を、ほぼ100%まで高めることを狙った特許技術とされています。
- Chrome Softはいつ発売されましたか?
- 2015年1月16日に発売されたとされています。低圧縮コアとウレタン製カバーを組み合わせ、柔らかい打感と飛距離の両立を狙った製品でした。
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