原理原則ゴルフ

クラブ/メーカーガイド

PING(ピン)

GEのエンジニアだったKarsten Solheimが自宅ガレージで始めたパター製作が起源。ヒール・トゥ加重による慣性モーメント(MOI)の考え方をいち早くクラブ設計に持ち込み、周辺加重アイアン・カラーコードフィッティングなど「物理と個人適合」を軸にした設計思想で知られる。

PINGは1959年、General Electric(GE)のエンジニアだったKarsten Solheimがカリフォルニア州の自宅ガレージでパター製作を始めたのが起源とされる。初代モデル「1A」でヒール・トゥ加重(打点がズレてもフェースが捻れにくい重量配分)を実証し、打球音が「ピン」と鳴ったことが社名の由来になったという。1967年、Anserパターの発表・特許取得とあわせてKarsten Manufacturing Corporationを法人設立している。

Karsten Solheimは、慣性モーメント(MOI)や重心といった物理的な考え方を意識的にクラブ設計へ導入した最初期の人物の一人と位置づけられることが多いが、当時から「MOI」という現代的な用語を明確に用いていたかどうかは、公式資料からは断定できない点に留意したい。1969年にはパター由来の周辺加重の思想をアイアンへ応用し、以後「寛容性(forgiveness)」という概念の起点になったとされる。1972年には、ライ角を12段階の色分けで示すカラーコード・フィッティングシステムを業界に先駆けて導入し、カスタムフィッティングの先駆者と評される。1982年のEye2アイアンでは極端な周辺加重に加えスクエアグルーブ(U字溝)を採用したが、1987年にUSGAがルール違反と判定したことでSolheim側が提訴する事態となり(いわゆる「グレート・スクエアグルーブ論争」)、1990年に和解、1990年4月以前の製造分は溝規制の適用除外となった。

代表的な製品はパターのAnser(1966年発表、「史上最も模倣されたパターデザイン」と評されることがある)、アイアンのKarsten I〜IV・Eyeシリーズ・Eye2、現行のi210/i230等である。

代表モデル

  • Anserパターパター・1966年

    1966年発表。ヒール・トゥ加重(重量を両端に寄せる周辺加重)の思想を体現したブレード型パターで、「史上最も模倣されたパターデザイン」と評されることがある。

  • G430フェアウェイウッドウッド・2023年

    2023年発売。軽量コンポジット製クラウンがヘッド側面まで回り込む「Carbonfly Wrap」と、高強度フェースがソール・クラウンへ巻き込む「FaceWrap」を組み合わせ、低重心化と初速向上を狙うフェアウェイウッド。

  • G430 MAXドライバードライバー・2023年

    2023年発表。25gのタングステン可動式バックウェイトで弾道を左右に調整できる高慣性モーメント寄りのドライバー。派生モデルG430 MAX 10K(2024年)は慣性モーメント10,000g・cm²超えを掲げる。

  • Eye2アイアンアイアン・1982年

    1982年発売。周辺加重によるキャビティバック形状の標準を確立したとされる歴史的モデルで、1985年追加のスクエアグルーブ版はスピン性能を巡りUSGAとの規則問題・訴訟に発展したことでも知られる。

  • G430ハイブリッドユーティリティ

    PING現行Gシリーズの一員として展開されるハイブリッド(ユーティリティ)クラブ。同シリーズのドライバー・フェアウェイウッドと共通する低重心化技術「Carbonfly Wrap」やフェース周縁まで巻き込む「FaceWrap」構造を採用し、2番〜7番という幅広いロフト展開を持つ。

  • s259ウェッジウェッジ

    PING現行のウェッジライン。先代s159シリーズのスピン性能・コントロール性を土台に、グラインド(ソール形状)とロフト展開を拡充したモデルとされる。