戦略と統計の原理/用語集
Strokes Gained
あるショットの前後で、その地点から「平均的なプレーヤー」がホールアウトするまでに要すると期待される打数(ベンチマーク)を比較し、実際のショットがどれだけ得をもたらしたかを数値化する統計指標。
Strokes Gainedは、ショットを打つ前後の「期待打数(その地点から平均的なプレーヤーがホールアウトするまでに要するとされる打数)」を比較し、その差から実際のショットがどれだけスコアを得したか(あるいは損したか)を数値化する統計指標で、計算式は概ね「打つ前の期待打数-打った後の期待打数-1打(消費した打数)」で表される。コロンビア大学ビジネススクール教授のMark Broadieが2000年代初頭、PGAツアーのShotLinkデータ(数十万〜数百万ショット規模)を分析して確立し、2014年出版の著書『Every Shot Counts』で広く一般に紹介した。PGAツアーは2011年5月にこの指標を公式採用している。
Strokes Gainedが「1ラウンドあたりのパット数」のような従来指標より優れているとされる理由は、従来の指標がグリーン周りでの直前のショットの結果(カップにどれだけ近づけていたか)に強く左右され、パッティング技術そのものを単独で測れなかった点にある。Strokes Gainedは各ショットを「同一状況からの平均的な結果」との差分で評価するため、ショットごとの純粋な技術的貢献度を分離できる。Broadieの分析では、トップ10のプレーヤーと平均的なPGAツアー選手のスコア差のうち、パッティングが説明するのはわずか15%であり、100ヤード以遠のロングゲームの方が差を生んでいると主張されている。ただし、この「15%」という数値はBroadie自身の分析結果として複数の二次ソースで広く引用されているものの、原著の該当箇所を直接確認するには至っていない点は付記しておきたい。
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