原理原則ゴルフ

弾道の物理原理解説

なぜバックスピンがかかったボールは浮き上がるのか——マグヌス効果の原理

ゴルフボールが弾道の途中で失速せず浮き上がって見えるのは、バックスピンが生み出す揚力——マグヌス効果——によるものである。

監修・執筆:原理原則ゴルフ編集部編集部

回転する球体に働く力

マグヌス効果とは、回転しながら流体(空気)中を進む物体に対して、回転方向に応じた横向きの力(揚力)が発生する現象を指す。ゴルフボールの場合、バックスピンがかかることでボールの上面と下面で空気の流れる速度に差が生まれ、この速度差が圧力差を生み、ボールを上向きに押し上げる揚力として作用するとされる。

ディンプルが果たす役割

ボール表面のディンプル(くぼみ)は、この揚力の発生に間接的に関わっている。ディンプルは空気の流れを乱流化させ、ボール表面に沿った境界層の剥離を遅らせる働きを持つとされる。この結果、ディンプルは抗力(進行を妨げる力)とマグヌス揚力の両方を同時に増加させる方向に作用するという、一見矛盾するが実際には両立する効果を持つとされている。

バックスピンと弾道の関係

バックスピン量が多いほどマグヌス揚力は大きくなり、弾道は高く、滞空時間は長くなる傾向がある。ただしスピン量が過剰になると抗力の増加が揚力の増加を上回り、いわゆる「吹け上がり」によってかえって飛距離が落ちる場合があるとされる。適正なスピン量には、クラブ・ボール・スイングの組み合わせに応じた幅があり、一律の「理想値」を断定することは難しい。

よくある質問

マグヌス効果とは何ですか?
回転しながら空気中を進む物体に働く、回転方向に応じた揚力のことです。ゴルフボールではバックスピンによってこの揚力が生まれ、ボールが浮き上がるように見える弾道を生み出します。
ディンプルはマグヌス効果とどう関係していますか?
ディンプルは空気の流れを乱流化させることで、抗力とマグヌス揚力の両方を増加させる働きを持つとされています。ディンプルのないボールは同じ回転数でも揚力が小さく、飛距離が大きく落ちることが知られています。