原理原則ゴルフ

ルール・用具規定の由来原理解説

なぜキャディは「荷物運び」から規則上の重要な地位を持つ存在になったのか

17世紀フランス語の「若い士官候補生」を意味する言葉が、なぜゴルフの「キャディ」という言葉の語源になったのか。荷物運びの少年から、現行規則で明確に定義される役割へと変化してきた経緯を解説する。

監修・執筆:原理原則ゴルフ編集部編集部

「少年」を意味する語からの転用

キャディ(caddie)という語の起源は、17世紀のフランス語「cadet(カデ)」——「若い士官候補生」、転じて「少年」「末っ子」を意味する語——に遡るとされる。この語がスコットランドに伝わり、「caddie」「cawdy」として定着していった。英語における「caddie」の初出は1634年とされる。18世紀のスコットランドでは、キャディは水運びなどを行う使い走りの少年として使われていたと伝えられている。

組合の結成という早い時期の制度化

記録上、最初にキャディが使われた例は1681年、エディンバラで、後のジェームズ7世が最初の国際ゴルフ対抗戦に参加した際とされる。1711年には、エディンバラのキャディたちが自主規則と公示料金を持つ「組合(society)」を結成したと伝えられており、タクシー業に類似した仕組みが早い段階から存在していたことがうかがえる。「クラブを運ぶ者」という意味に語義が限定して使われ始めたのは1857年からとされる。

現行規則における明確な位置づけ

現行のゴルフ規則では、Rule 10(Preparing for and Making a Stroke; Advice and Help; Caddies)でキャディの役割が明確に規定されている。2019年の規則改正では、キャディまたはパートナーが、プレーヤーの構え動作中に意図的に後方に立つことを禁止する規定が新設された一方、旗竿をホールの近くに保持するために立つことは許可される、という整理がなされた。同じく2019年改正で、キャディはグリーン上でボールをマークしたりリフトしたりすることができるが、リプレース(ボールを元の位置に戻す動作)はプレーヤー本人が行う必要がある、という規定の整理も行われている。プロキャディという職業・制度が、いつ、どのように公式に確立していったか(例えばPGAツアーにおける契約構造の成立時期など)については、本記事作成時点で十分な裏付けが取れておらず、今後の課題としたい。

よくある質問

キャディという言葉の語源は何ですか?
17世紀フランス語の「cadet」(若い士官候補生、転じて少年・末っ子)に由来するとされています。スコットランドで「caddie」として定着し、英語での初出は1634年とされています。
キャディは規則上どう位置づけられていますか?
現行規則ではRule 10でキャディの役割が規定されています。2019年の改正では、構え動作中に意図的に後方に立つことの禁止や、グリーン上でのマーク・リフトに関する規定の整理が行われました。