ルール・用具規定の由来/原理解説
なぜ「ウォーターハザード」は2019年に「ペナルティエリア」という概念に変わったのか
長年「ウォーターハザード」と呼ばれてきた規則上の概念は、2019年の規則改正で「ペナルティエリア」という、水を伴わない場所も含みうる広い概念に置き換えられた。なぜこの概念変更が必要とされたのかを解説する。
「水」に限定されない概念への置き換え
2019年1月1日に施行された規則改正で、規則書上の用語「water hazard(ウォーターハザード)」は「penalty area(ペナルティエリア)」という用語に置き換えられた。この変更の本質は、単なる呼び方の変更にとどまらない。ウォーターハザードは文字通り水域を指す概念だったが、ペナルティエリアは水域だけでなく、委員会(コース管理者)が任意に指定できるエリアにまで対象を広げた、より柔軟な概念になっている。
プレー進行という実務上の理由
この変更により、委員会は水を含まない区域であっても、「似た障害を与える場所」としてペナルティエリアに指定できるようになった。密生した茂み、進入・脱出が困難な area など、ボールを探したり打ったりすることが極めて難しい場所を、プレーの進行を早める目的でペナルティエリアとして扱えるようにする、という実務的な理由が背景にあるとされる。
マーキングの簡素化
マーキングについては、黄杭(旧「レギュラー・ウォーターハザード」相当)と赤杭(旧「ラテラル・ウォーターハザード」相当)という2色制を維持しつつ、委員会の裁量ですべて赤に統一することも可能になり、プレーヤーにとっての理解のしやすさが図られている。なお、OB(アウト・オブ・バウンズ、白杭や境界フェンスで示される)は、ストローク・アンド・ディスタンス(打った地点に戻って打ち直す)の罰打を伴う点で、ペナルティエリアとは明確に区別される概念であり続けている。
OB規則そのものの19世紀における成立過程、および2019年改正が全体として「簡素化」を方針に掲げるに至った規則モダナイゼーション・プロジェクトの発端・経緯の詳細については、本記事作成時点で十分な裏付けが取れておらず、今後の課題としたい。
よくある質問
- ウォーターハザードとペナルティエリアはどう違うのですか?
- ウォーターハザードは水域を指す概念でしたが、2019年の規則改正で導入されたペナルティエリアは、水域に加え、委員会が指定した水を伴わない区域も含みうる、より広い概念です。
- なぜこの概念変更が行われたのですか?
- プレーの進行を早めるという実務的な理由が背景にあるとされています。委員会が水を含まない困難な区域もペナルティエリアとして扱えるようにすることで、規則の柔軟な運用を可能にする狙いがあったと考えられます。