原理原則ゴルフ

ルール・用具規定の由来原理解説

なぜステーブルフォード方式は「ストロークプレー」とは異なる採点思想を生んだのか

1打叩くごとにスコアカードを丸ごと壊してしまう——そんな競技者の姿を見た一人の医師が考案した採点方式は、なぜ「大叩きしても挽回できる」という発想に基づいているのか。ステーブルフォード方式の成立史を解説する。

監修・執筆:原理原則ゴルフ編集部編集部

スコアカードを破る競技者たち

ステーブルフォード方式を考案したのは、英国の医師Frank Barney Gorton Stableford(1870〜1959年)である。ウォラジー(Wallasey)ゴルフクラブおよびロイヤル・リバプールゴルフクラブに所属していたStablefordは、1931年後半、ウォラジーGCの2番フェアウェイでこの方式の着想を得たとされる。当時のストロークプレーでは、多くの競技者が序盤のホールで大叩きをすると、その時点で優勝の望みが絶たれたと感じて意欲を失い、スコアカードを破ってしまうことが珍しくなかったという。

1ホールの失敗が全体を破壊しない設計

ステーブルフォード方式の核心は、各ホールでの成績をストローク数の合計ではなく、パー(基準打数)に対する成績に応じたポイントとして加算していく点にある。この仕組みにより、あるホールで大きく崩れても、そのホールで得られるポイントが0点になるだけで、他のホールで挽回する余地が残る。ストロークプレーのように1つの大叩きが最終スコアに丸ごと重くのしかかる構造とは異なる、採点思想の転換だったといえる。

1932年、正式競技としての初開催

この採点方式による制度としての初競技は、1932年5月16日、ウォラジーGCで開催されたとされる。以降、ステーブルフォード方式はハンディキャップを活用したアマチュア競技を中心に世界中に広まっていった。なぜ1932年という時期に正式採用へと至ったのか、クラブ理事会でどのような議論があったのかという具体的な経緯や、ハンディキャップ制度との連動がどのように制度化されていったかについては、本記事作成時点で一次資料による裏付けまでは確認できておらず、今後の課題としたい。

よくある質問

ステーブルフォード方式とストロークプレーの一番の違いは何ですか?
ストロークプレーは全ホールの打数を合計して競うのに対し、ステーブルフォード方式は各ホールの成績をパーに対するポイントに換算して加算する方式です。1ホールの大叩きが全体のスコアに与える影響を限定できる点が特徴です。
ステーブルフォード方式は誰が考案したのですか?
英国の医師Frank Barney Gorton Stablefordが考案したとされています。1931年後半に着想を得て、1932年5月16日にウォラジーゴルフクラブで制度としての初競技が開催されました。