原理原則ゴルフ

ルール・用具規定の由来/原理解説

なぜOB・紛失球には「ストローク・アンド・ディスタンス」という罰則が科されるのか——規則統一までの200年

OBや紛失球を打った際に科される「1打罰+打ち直し」というストローク・アンド・ディスタンスの罰則は、1744年の規則成文化以降、距離の損失のみとする試行を経て、1952年の統一規則や1968年の細部調整を通じて今の形になったとされる。R&AとUSGAの規則の歩みを追う。

監修・執筆:原理原則ゴルフ編集部(編集部)

1744年、13カ条から始まったルール

ゴルフの規則が初めて文書化されたのは1744年、Gentlemen Golfers of Leithが定めた13カ条の規則だとされる。この団体はのちにThe Honourable Company of Edinburgh Golfersとなった。R&A配布の規則史資料「A Brief History of Revisions to the Rules of Golf 1744-2016」はこの13カ条を起点に改訂の歴史を整理している。

「アウト・オブ・バウンズ」の誕生

同資料によれば、R&Aが1899年に発行した最初の統一規則集で、アウト・オブ・バウンズ(OB)が初めて定義された。さらにその約3年後(1902年ごろ)、OBの可能性があるボールのために「暫定球」が規則に加えられた。

統一されていなかった時代——USGAとR&Aの並走

20世紀前半、規則はR&AとUSGAがそれぞれ制定・改訂していた。USGAは1946年、OBについて「距離の損失のみ」(打数は加えず元の位置から打ち直す)とする規則を導入した。R&Aも1950年、紛失球・OB・プレー不能球に同様の「距離の損失のみ」を適用する規則を、2年間の試行として採用した。

1952年、初の統一規則

R&AとUSGAが初めて単一の規則集を発効させたのは1952年1月1日である。この統一規則では、OB・紛失球の処理は再び「1打罰+打ち直し」(ストローク・アンド・ディスタンス)に戻された。

1960年代の調整と現行の形

1960年にはUSGAが距離の損失のみとする方式を再び試みたが、1年ほどで終わったとされる。1968年の改訂では、両団体の規則に残っていた相違点が整理された。つまり、OB・紛失球に1打罰を加えて打ち直すという考え方自体は1952年の統一規則の時点で戻っており、1968年はそれを含む細部の調整の年と捉えるのが正確である。

本稿で確認できなかったこと

  • 1744年の13カ条の時点で、コース外のボールや見つからないボールをどう扱っていたかは、参照した資料からは確認できていない。
  • 各改訂の条文の細かな文言や、暫定球規則の運用変更の履歴。
  • USGA公式サイト(usga.org)は取得時にアクセスが拒否され、本文を確認できていない。

出典

  1. A Brief History of Revisions to the Rules of Golf 1744-2016(R&A配布) https://assets.randa.org/c42c7bf4-dca7-00ea-4f2e-373223f80f76/e9ac12cc-5263-40c6-a47a-f4f0850b7cd6/A%20History%20of%20the%20Rules%20of%20Golf%201744%20-%202016.pdf(公式PDF、本文確認)
  2. USGA版の同名ページ https://www.usga.org/rules-hub/rules-modernization/text/a-brief-history-1744-to-present.html(未確認(アクセス拒否))
  3. Rules History(1950年・1952年の規則) http://www.ruleshistory.com/post-1899.html(二次資料、要約のみ)

よくある質問

「ストローク・アンド・ディスタンス」とはどういう意味ですか?
OBや紛失球などに対して科される罰則の名称で、「ストローク(1打罰の加算)」と「ディスタンス(直前に打った場所まで戻ってやり直すこと=距離の損失)」の両方が科されることを意味します。
この罰則はいつから現在の形なのですか?
R&A配布の規則史資料によれば、1946〜50年に距離の損失のみとする方式が試された後、1952年の初の統一規則で「1打罰+打ち直し」に戻りました。1960年のUSGAによる再試行は短期間で終わり、1968年の改訂で細部の相違が整理されたとされています。

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