クラブ/メーカーガイド
TaylorMade(テーラーメイド)
1979年、自宅を担保に借り入れた資金でメタルウッド専業として創業。木材(パーシモン)から金属への素材転換を業界に先駆けて主導し、以後もR7 Quadの可変ウェイト機構、M1のマルチマテリアル構造など「素材と重量配分」の技術転換を繰り返してきたメーカー。
TaylorMadeは1979年、Gary Adamsが自宅を担保に24,000ドルを借り入れ、イリノイ州マッヘンリーの建物を借りて創業した。当初の従業員は3名、製品は12度ロフトのメタルウッド1種類のみだったとされる。社名がAdamsの友人でゴルフ業界の有力セールス担当者だったJimmy Taylorに由来するという説もあるが、この点は単一ソースの証言によるもので、複数ソースでの裏付けは取れていない。
創業の核となったのが、当時主流だったパーシモン(柿材)ウッドに代わるステンレス鋼製の中空メタルウッド(通称"Pittsburgh Persimmon")の投入で、1985年時点でツアーで使用されるメタルウッドの98%をTaylorMade製が占めたとされるほど、木材から金属への素材転換を業界的に主導した。その後も2004年のR7 Quadドライバーでは4個の重量カートリッジによる重心可変機構(Movable Weight Technology)を業界に先駆けて投入し、同年の全米オープンでRetief Goosenが使用して優勝している。2016年のM1ドライバーでは、チタンの薄肉化がほぼ限界に達したとされる状況を受け、チタンとカーボンコンポジットを組み合わせたマルチマテリアル・クラウン構造(7層のカーボン積層)を初採用し、低重心化を進めた。ただしこの「薄肉化が限界に達した」という開発経緯の説明は海外メディアの解説記事に基づくもので、TaylorMade公式による同旨の記述は確認できていない。
代表的な製品ラインはドライバーのR7→R9→RocketBallz→SLDR→M1/M2→Stealthシリーズ、アイアンのP-series(P7MB等)である。
代表モデル
- M1ドライバードライバー・2016年
2016年発売。チタンとカーボンコンポジットを組み合わせたマルチマテリアル・クラウン構造を初採用し、浮いた重量を低重心化に再配分したドライバー。
- P7MBアイアンアイアン
TaylorMadeのP-seriesに属する、ツアープロ向けのマッスルバック(軟鉄鍛造ブレード)アイアン。操作性と打感を重視し、寛容性よりもフィーリングを優先した設計思想を持つ。
- Rescueユーティリティ
ロングアイアンの代替として普及した「ハイブリッド(ユーティリティ)」クラブを、TaylorMadeが「Rescue」というブランド名で展開したシリーズ。名称の通り、ラフや苦しいライからの脱出を助けるクラブという訴求で市場に浸透したとされる。
- Spiderパターパター・2008年
2008年発売とされる初代「Monza Spider」を起点とする高慣性モーメントのマレット型パターシリーズ。セルジオ・ガルシアやロリー・マキロイら多くのツアープロが使用し、近年のツアーで最も見かける形状の一つと評されることがある。
- MG4(Milled Grind 4)ウェッジウェッジ・2023年
2023年発売。スコアライン間にレーザーエッチング加工を追加しウェット・デュー(朝露)条件下のスピン低下を抑える新技術「Spin Tread」を搭載したウェッジシリーズ。
- Qi10フェアウェイウッドウッド・2024年
2024年2月発売。450SSステンレス製フェース・ボディとインフィニティカーボンクラウンを組み合わせ、内蔵スプリットウェイトによる低重心化を特徴とするフェアウェイウッド。標準・MAX(寛容性重視)・TOUR(操作性重視、国内限定で4W/6Wも展開)の3モデル構成。