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戦略と統計の原理/比較

自宅用パターマットの選び方——長さ・幅・転がりの表記・傾斜を練習目的別に整理する

自宅用パターマットの長さ、幅、スティンプなど速さの表記の読み方、傾斜の有無、練習目的別の基準を整理し、確認できたメーカー情報だけを例として示す。

監修・執筆:原理原則ゴルフ編集部(編集部)

要約

自宅用のパター練習用具は、マットの長さ、幅、転がりの速さの表記、傾斜の有無、ボールが戻る仕組みで性質が決まる。何を練習したいか(距離感、ストロークの方向性、反復の量)によって、重視する項目が変わる。本稿は順位を付けず、基準と、基準に当てはまる例を2点示す。マットでの練習がコースの成績を上げるという直接の証拠は、本稿では確認できていない。

1. 速さの表記を読む

グリーンの速さの指標はスティンプメーターで、ボールを一定の条件で転がし、平坦な面での転がった距離(フィート)を測る。一般に、6.00フィート毎秒の速さで解放し、2方向の各3球を平均する手順とされる(Wikipedia、USGAの取扱書を出典とするが、USGAのページは本稿の環境から開けず原文は未確認)。

マットの「スティンプ表記」は、このコースの値と同じ条件で測られたとは限らない。パターマット工房のSUPER-BENTの公式ページは、順目と逆目で2つのボールスピードを味わえるとだけ述べ、数値は示していない(公式ページ)。数値表記の有無とその測り方は、製品ごとに確認が必要である。速さが練習の目的に合うかどうかは、表記より、自分が打つコースとの比較で判断するのが現実的である。

順目と逆目は、人工芝の毛足の向きに対する打つ方向の違いである。順目では転がりが伸び、逆目では抵抗が増えると一般に説明される。SUPER-BENTは、この違いを利用して1枚で2つの速さを練習できるとしている。人工芝の密度も速さに関わり、Daiyaはオートパットに、同社従来品より面積当たりの質量が約1.8倍の高密度な人工芝を使い、ベント芝に近い転がりを再現するとしている(比較対象は同社従来品である)。どの程度コースに近いかを示す第三者の測定値は確認できていない。

2. 長さと幅の基準

項目見るポイント
長さ練習したい距離より、ストロークの助走と転がりの余裕分だけ長いものが基準になる。短いと長いパットの距離感が練習できない
幅狭いと外れた球が落ちやすい。ラインの左右の曲がりを含めた練習には、幅に余裕が要る
設置場所部屋の長さと、収納時に巻ける太さで制約される

数値の例として、SUPER-BENTの45cm×3mは、幅45cm・長さ3m・厚さ5mmとされる。Daiyaのオートパットは、芝部分が約250cm×25cmで、最大長約2.5mとされる(Daiya ニュースリリース)。

3. 傾斜の有無

傾斜の読みは、パットの狙い点を大きく動かす。本メディアの試算では、横傾斜の読みが0.5ポイントずれるだけで、狙い点が約7cm動く(パットの転がりの記事)。ただし、これは物理モデルの話で、マット練習の効果を示すものではない。

  • 傾斜付き、または傾斜パッドが使える製品は、曲がるラインの練習を想定している。SUPER-BENTは、傾斜パッドが付属するとされる。
  • 傾斜がない製品は、直進性、つまり出球の方向とフェースの向きに集中できる。

4. 練習目的別の基準

  • 距離感:長さを優先し、順目・逆目のように速さが変わる面があると、強さの調整を練習しやすい。
  • ストロークの方向性:直進する面と、幅の目盛りやガイドライン(Daiyaには6cm間隔の2本のガイドラインがあるとされる)が基準になる。
  • 反復量:ボールが戻る仕組みは、拾いに行く手間を減らす。Daiyaのオートリターンは、返球位置を約1m程度に調整できるとされる。
  • 曲がるラインの練習:傾斜パッドなど、傾斜を作れる製品を選ぶ。

どの目的でも、練習に使うボールは、コースで使うものと同じにしておくと、転がりの比較がしやすい。ボールの種類による転がりの差は、本稿では数値を確認できていない。目的が複数ある場合は、長さと幅を満たしたうえで、残りの機能を足す順に考えるとよい。

以上は本稿の整理であり、目的別にこの組み合わせが有効だとする実験は確認できていない。グリーン読みについてはAimPointの記事、プレッシャー下のパットはこちらの記事を参照。

5. 選ぶ手順

  1. 練習の目的を1つ決める(距離感、方向性、反復量のいずれか)。
  2. 設置できる長さと幅を、部屋で実測する。
  3. 速さの表記があれば、測り方の記載を読む。なければ、順目・逆目など、速さを変えられる面かどうかを見る。
  4. 傾斜やボールの返球機構が必要かを、手順1の目的から決める。

SUPER-BENTは防音仕様をうたっており、集合住宅での使用を想定している。ただし、防音の程度を測った数値は確認できていない。

6. 購入前の確認表

確認項目見る場所
寸法(幅・長さ・厚さ)公式ページの仕様欄。実測した設置場所と比べる
速さの表記の有無と測り方公式ページ。数値がなければ「なし」と記録する
傾斜パッドなど付属品公式ページの付属品欄
返球機構の電源Daiyaは乾電池のほかUSB-ACアダプター(別売)が使えるとされる

7. 注意点

  • 人工芝の速さは、面の向き、設置する床、ボールの種類で変わる。マットで合わせた距離感が、そのままコースに当てはまるとは限らない。
  • 本稿は、個々の製品を使って確かめたものではなく、公式ページの記載を整理したものである。
  • 設置する床が硬いか柔らかいかでも、ボールの跳ね方や音は変わる。購入前に、返品条件を確認しておくと安全である。

本稿で確認できなかったこと

  • USGAの取扱書の原文(スティンプメーターの手順)。Hole Notes 2000年8月号に再掲された説明書の本文では、3球・各方向・平均という手順と、「コース間の比較のためのものではない」という注意書きを確認したが、現行版の取扱書そのものは未確認。
  • SUPER-BENTの順目・逆目の速さの具体的な数値(検索要約には見えたが、公式ページで確認できず採用していない)。
  • パターマットでの練習が、コースでのパット数やスコアを改善する証拠。

参考文献

関連記事:パット数で実力を測れない理由、グリーンの傾斜と難易度、マレットとブレードの違い、パターの長さ・ライ角・ロフトの選び方。

よくある質問

パターマットの長さはどれくらい必要ですか?
断定はできません。練習したい最大距離を決め、それに助走と転がりの余裕を足した長さが目安になります。部屋の寸法と収納のしやすさも条件です。本稿は、長さと上達の関係を示す研究を確認できていません。
スティンプの数値が書いてあるマットを選ぶべきですか?
数値が書かれていても、コースの測定と同じ条件とは限りません。メーカーによっては数値を示さない製品もあります。数値の有無より、測り方の記載があるかを確認するのが妥当です。
傾斜付きのマットは必要ですか?
練習目的によります。曲がるラインを練習したいなら傾斜を作れる製品が合い、方向性だけなら傾斜がなくても足ります。傾斜の練習がスコアを良くするかは、確認できた範囲で証拠がありません。
ボールが自動で戻る製品は上達に有利ですか?
断定できません。拾いに行く手間が減り、反復量を増やしやすいとメーカーは説明しています。ただし、反復量の増加が成績に結びつくかを検証した資料は確認できていません。

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