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クラブの原理/比較

ロフト角・ライ角・バウンス角の違いを図で整理する——三つの角度は何と何の間か

ロフト角・ライ角・バウンス角は、似た名前でも「何と何の間の角度か」が違う。位置関係を図で整理し、効く場面とルール上の扱いを確認する。

監修・執筆:原理原則ゴルフ編集部(編集部)

三つの角度を一枚で見る

ウェッジやアイアンのスペック表には、ロフト角・ライ角・バウンス角という似た名前の数値が並ぶ。どれも「角度」だが、何と何の間の角度かがまったく違い、効く場面も別である。まず位置関係を図で確認したい。

横から見た図正面から見た図ロフト角(垂直線とフェース面)バウンス角(ソールと地面。角度は誇張)リーディングエッジ目標方向 →ライ角シャフトトゥヒール(シャフトと地面。ソールを水平に置いた状態)
模式図。見やすいよう角度を誇張しており、実際の値ではない。
角度何と何の間か主に関わること見る向き
ロフト角フェース面と垂直線(シャフトを垂直に立てた状態)打ち出しの高さ、飛距離、番手間の間隔横から
ライ角シャフトと地面(ソールを水平に置いた状態)構えたときのヘッドの傾き、方向性正面から
バウンス角リーディングエッジ・ソール・地面ソールの滑りやすさ、ダフリへの強さ横から

ロフト角——フェースの傾き

ロフト角は、フェース面の傾斜を表す角度である。ボールの上がりやすさや飛距離に関わり、番手ごとの距離の差はロフト角の差によってつくられる。ウェッジ同士のロフト差の考え方はウェッジのロフト間隔の記事、近年のアイアンでロフトが立ってきた経緯はアイアンのロフト強化の記事で扱っている。

注意したいのは、カタログに載るロフト角は静止した状態の値だという点である。実際のインパクトでの有効なロフトは、ハンドファーストの度合いや入射角で変わる。この違いはスピンロフトとダイナミックロフトの記事で整理している。

ライ角——構えたときのヘッドの傾き

ライ角は、ソールを地面と水平に置いたときにシャフトと地面がつくる角度である(ゴルフさぷり)。クラブの長さによって値が変わり、方向性に影響する。

  • トゥ側が浮く(アップライト):フェースが目標より左を向きやすく、球は左に出やすいとされる。
  • ヒール側が浮く(フラット):フェースが目標より右を向きやすく、球は右に出やすいとされる。

ロフトが「上下」の話であるのに対し、ライは「左右」の話だと覚えておくと混乱しにくい。ただしこれは構えたときの静的な関係の説明であり、実際の打球方向はスイング軌道やフェースの向きにも左右される。ライ角を変えられる調整機構を持つクラブもある(可変ホーゼルの記事)。

バウンス角——ソールの角度

バウンス角は、リーディングエッジ(フェース下端)、地面、ソールがつくる角度で、シャフトを垂直にした状態で測る(GOLF.com)。ソールの後ろ側が先に地面へ触れ、刃が地面に刺さるのを防ぐ「滑り」の働きをする。ロフトやライと異なり、ほぼウェッジの話題として語られる数値である。

ここで混同しやすいのが、バウンス角とソールの「削り方」(グラインド)の違いである。バウンスは一つの角度だが、実際にソールがどう地面に触れるかは、ソールの幅や、ヒール・トゥ・トレーリングエッジの削り込みにも左右される。この「数値だけでは決まらない」部分はバウンス角が大きいほどやさしいとは限らない理由の記事で、具体的な選び方はウェッジのバウンスとグラインドの選び方の記事で扱う。サンドウェッジにバウンスが生まれた経緯はジーン・サラゼンの記事を参照してほしい。

三つは独立ではない

三つの角度は別の数値だが、完全に切り離して考えることもできない。たとえばフェースを開いて構えると、リーディングエッジが浮いてバウンスが増える方向に働く(GOLF.com)。つまり、スペック表の三つの数値は構えと打ち方によって実際の効き方が変わる出発点だと捉えるのが実用的である。

ルール上の位置づけ

R&Aの用具規則(Part 2)を確認すると、ロフト角に数値の上限が書かれているのはパターの「10度以内」だけで、ウッドやアイアンについてはロフトの上限は読み取れなかった。ライ角に近い規定としては、構えた状態でシャフトの直線部分が垂直から少なくとも10度傾くこと(パターは垂直に近い設計向けに最大25度の例外)が定められている。バウンス角についての数値規定は、確認した範囲では見当たらなかった。なお、ヘッド形状全般には「伝統的で慣習的な形状」であることが求められる。

スペック表を読むときの見方

  • ロフト角は番手間の間隔で見る。単体の数値より並びが重要である。
  • ライ角は標準値より、構えたときにトゥとヒールのどちらが浮くかで確かめる。ソールにテープを貼って跡を見る方法も紹介されている(ゴルフさぷり)。
  • バウンス角は数値だけでなく、ソール形状(グラインド)と自分の打ち方・コース状況を合わせて見る。

本稿で確認できなかったこと

  • ロフト角を調整したときにバウンス角の数値がどう連動するかは、メーカー公式の説明を確認できなかったため扱っていない。
  • ライ角1度あたりの打球のずれ(ヤード数)は、公式な測定資料を確認できなかったため載せていない。
  • ライ角・ロフト角の測定方法の公式手順(ミズノのヘルプページ)は閲覧できなかった。

出典

  1. R&A. The Equipment Rules, Part 2 Conformance of Clubs(2.1a、2.1d). https://www.randa.org/en/roe/the-rules-of-equipment/part-2-conformance-of-clubs
  2. GOLF.com. Sole provider: Understanding wedge bounce and what it does. https://golf.com/gear/wedges/fully-equipped-understanding-wedge-bounce-and-how-it-works/
  3. ライ角とは(ゴルフさぷり). https://golfsapuri.com/article/10005714/

ロフト角・ライ角の定義と効果の説明は、ゴルフ用品メディアの一般的な解説に基づくもので、メーカーの公式規格ではない。

関連記事:昔のクラブ名の由来、チップとピッチの使い分け、つま先上がりで球が左に出る理由とライ角。

よくある質問

ロフト角・ライ角・バウンス角のうち、最初に確認すべきなのはどれですか?
ウェッジの購入では、まずロフト角で番手間の間隔を決め、次にバウンス角とソール形状を確認する順序が紹介されている。ライ角は構えたときにトゥとヒールのどちらが浮くかで確認するとされる。
バウンス角の規則上の上限はありますか?
R&Aの用具規則(Part 2)を確認した範囲では、バウンス角の数値上限は見当たらなかった。ロフト角の数値上限が明記されているのはパターのみ(10度以内)である。

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